皆さんの中で「遺伝子年齢」と言われてピンとくる方はいらっしゃるでしょうか?
世の中には、見た目年齢、血管年齢、肺年齢など色々年齢を評価する方法があります。
しかし、遺伝子年齢ってどうやって検査するのか、また基本的に遺伝子年齢と実年齢は一緒じゃないのかと疑問に思う方がほとんどだと思います。
遺伝子年齢検査は採血でDNAの中のテロメアの長さを測定する検査となります。
テロメアとはDNAの末端にある構造ですべての人で共通のものになります。
皆さんも早老症という病気のアシュリーちゃんの事を知っている人も多いと思います。
早老症は先天的にテロメアが短く、健常人の10倍程の速度で老化していく病気です。
このような病気の研究により、テロメアが長い人は寿命が長く、テロメアが短い人は寿命が短いと言われるようになりました。
では、遺伝子年齢検査は寿命を測る検査なのかと言われるとそうではありません。
テロメアの長さには個人差がありますが、病気やストレスがかかると短くなる事が最近、分かってきました。
つまり、いくらテロメアが長い人でも、喫煙や暴飲暴食を繰り返していると、テロメアが短くなり、病気を発症し、短命に終わる事もあります。
テロメアの末端(DNAの一番端)にはさらにGテールと言われる尻尾のようにくるっと丸まった構造があるのが分かっています。
Gテールはきれいに丸くなって収まる事によりDNAの安定を図っている事が最近の研究で分かってきました。
喫煙や暴飲暴食、過度なストレスなど、生活習慣が乱れるとこのGテールが削れて、DNAの安定が崩れる事により、病気を発症する事が分かってきました。
つまり、遺伝子年齢検査とは持って生まれたテロメアの長さ(遺伝子強度)とGテールの長さ(遺伝子疲労度)を同時に測定する事により、現在の自分の置かれた健康状態を客観的に診断する検査となります。
今までの健康診断や人間ドックなどは病気にならないと異常が発見できませんでしたが、
遺伝子年齢検査を行うことにより、今後自分が何らかの病気になる危険性を判断する事が出来ます。またこの検査では、今までの検査以上にがんをはじめとする様々な病気に対して、より早期の発見も期待出来ます。
いつ、どのような病気になるかは診断できませんが、自分の遺伝子年齢を知ることで、今までの生活習慣を見直すいい機会になると思います。特にGテールの長さ(遺伝子疲労度)
は日々変化するので、定期的に測定することにより、自分の健康管理の良い指標になると思います。通常の遺伝子検査から更に進歩して、遺伝子レベルでの健康管理が出来る事は画期的だと思います。
今までの遺伝子検査と同様、この新しい「遺伝子年齢検査」も
当院で測定出来ますので、ご質問のある方はお気軽に院長までお尋ねください。