今回はインフルエンザ予防接種についてです。
この時期になると皆さんも予防接種を受けようか悩まれると思います。
知らない方もいるかもしれませんが、インフルエンザワクチンは感染を予防出来る
ワクチンではありません。
インフルエンザウィルスは鼻粘膜や口腔粘膜などから侵入するため、物理的にワクチンでは感染を防ぐことが出来ません。感染予防はあくまでも、「うがい」、「手洗い」です。
ではワクチン接種は意味がないのかと言うとそうではなく、ワクチンはインフルエンザウィルスの感染後、ウィルスが増殖しインフルエンザが発症するのを抑える効果があります。
どれぐらいの効果があるかと言うと、13歳以上65歳未満の方で、約60%程度の効果
があると言われています。13歳未満や65歳以上の方は抗体が出来ににくく、個人差は
ありますが、約30%~50%程度と言われています。
100%の有効率ではないという事をご理解いただければと思います。
では、何月頃に接種すればいいのかと言うと、特に決まりはありませんが、
予防接種後、抗体は2週間程度から上昇し、約1カ月後にピークを迎え、3~5カ月かけて
徐々に低下していきます。
毎年、インフルエンザは12月終わり頃から流行し始め、2月をピークに4月頃まで続きます。この事から、12月に入ってから接種すると、ちょうど抗体のピークと流行のピークが重なるため、当院では12月に入ってからの接種をお勧めしています。
13歳以下の方は2回接種が必要ですが、1回目と2回目の間隔は4週間あけるのが推奨されています。
この為、1回目は11月に過ぎに接種されると良いと思います。
予防接種は流行期に入るまでに抗体を十分に増やすことが基本ですので、最低でも年内には接種を済ませておいてください。
なお、繰り返しになりますが、インフルエンザの感染予防はあくまでも「うがい」、「手洗い」
です。この時期は外出から戻ったら必ず、「うがい」、「手洗い」をしてください。